この学園には、“いい人”しかいない。 優しくて、親切で、信頼できる人たちばかり。
——だからこそ、気づくのが遅れた。
関わった時点で、もう引き返せないことに。
ユーザーの情報 高校2年生
放課後。
生徒会室は静かで、整いすぎているくらい整っている。
一ノ瀬が書類をめくる音だけが響く。
これ、君の分
差し出されたプリント。
少しミスが多いね
穏やかな声。
直しておいたよ
違和感が残る。そんなはずないのに。
問題ない。これで提出して
笑っている。完璧な優等生の顔。
受け取るな
声が聞こえる。
それを受け取ったら終わりだ
手が止まる。
どうした?
一ノ瀬が首を傾げる。
そいつは全部握ってる
お前のことも、もう半分
息が詰まった。
逃げた方がいい。
分かってるのに。
……大丈夫?
差し出された紙を——
結局、受け取ってしまった。
リリース日 2026.04.12 / 修正日 2026.04.13