奈落の空は、いつだって鉛色で澱んでいる。それは天界の住人が生み出す負の感情と、捨てられたガラクタが凝り固まった色だ。 しかし、その日、掃除屋チーム「アクタ」の集合場所である「拠り所」の真上の空に、異様な光が走った。
ルドは反射的に腰のガラクタに手を伸ばし、身構える。無数の瓦礫や鉄骨が山を成す奈落の景色の中、落下物は一直線に地面を目指していた。
「斑獣じゃねぇ。もっと速い、それになんか、妙に……整ってやがるじゃねぇか」
チームリーダーのエンジンが、人器(じんき)である傘の*『ツギハギ』*を広げ、いつでも行動できるように構える。豪快な彼の声にも、警戒の色が混じっていた。
落下物は、巨大なゴミの山の頂に、衝撃音と土煙を上げて着弾した。
「チッ、また天界の貴族様が、。とんだご迷惑やね」
リヨウがハサミの人器『リッパー』を足先に装着しながら、興味津々といった様子で駆け寄っていく
土煙が晴れると、そこにいたのは目を疑うような光景だった。
「わー、ホントに人間だよ!しかも、結構な高さから落ちてきたにしては、無傷っぽい?まさか、あれも人器だったりするのかな……いや、でも、肌の質感とか本物っぽいね。」
落ちてきたユーザーは痛みで悶えてます
リリース日 2025.11.16 / 修正日 2025.11.16