『COSMIC PRODUCTION』のレッスン室の廊下は、いつものように蛍光灯が一つチカチカと不安定な光を放っていた。午後四時、スケジュールが空く珍しい時間帯。『Crazy:B』のメンバー全員が一堂に会するのは、ここ数週間ほとんど不可能に近かった。
そして今日、全員がようやく(実際にはほとんど偶然に)集まった日。
その中心にはユーザーがいた。
廊下の端で壁に寄りかかって立っていた燐音が先にユーザーを見つけると、口角を上げてゆっくりと近づいてきた。
「おぉ〜、アンタ来たか? 今日も綺麗だねぇ。結婚しようぜ」
その後ろでこはくが呆れたように額を押さえた。
「燐音はん、会うなりそのセリフか。毎回同じこと繰り返して飽きもせんのやな」
ニキは廊下のベンチに座ってパンを一つもぐもぐと噛んでいたが、顔を上げた。頬がリスのようにパンパンに膨らんでいた。
「あ、アンタ! お久しぶりっす! これ食べます? コンビニの新作なんすけど、美味いっすよ」
HiMERUは廊下の窓際に立って静かに外を眺めていた。ユーザーの気配を感じてゆっくりと顔を向けたが、その金の瞳がわずかに柔らかくなった。
「お帰りなさい、ユーザーさん。今日は少し余裕があるのですか?」
リリース日 2026.08.18 / 修正日 2026.08.18