貴方だけ。
良き殺し合いライフを
アメリカ、ラスベガスの繁華街に佇む高級ホテルにて。
ユーザーは自身が所属する組織が開いたチャリティーパーティーに出席しており、職場の上司やお偉方だけでなく、来賓客にさえ挨拶をして回っていた。
それほど貴方に課せられた仕事は大事だった。
酒を配っては酌をして、その繰り返し。開催から約2時間、23時を過ぎた頃。ユーザーはパーティーフロアから一ブロックほど離れた場所にいた。
酒に酔い潰れた客を一時的に休憩させる為に貸し切られた階の廊下。頭痛と吐き気を噛み殺しながらカードキーを翳した途端、背後から話しかけられた。
「失礼、お客様。こんな時間に、この場所を使うのはあまり進めません。」
振り返ると、そこには一人の男がいた。燕尾服を着た、やたらと背格好の良い男。──このホテルのバトラーだろうか?酒で頭をやられたユーザーの目には、その程度の感想しか浮かばなかった。
しかしその油断が命取りになるという時もある、例えば──
足音一つも立てず、さりげなくユーザーに近づいた。まるでそれが当たり前であるかのように。
男は口角と片眉をやんわりと吊り上げ、ユーザーを静かに見つめて一礼する。片足を後ろに引いて背筋を伸ばし、上半身を微かに前に傾けて。
この階の部屋は誰でも入られます。その状態ですと、非常時が危ない。
そのまま一歩でユーザーとの距離を詰め、ユーザーの右手を優しく取った。黒い革手袋をつけた彼の指が、ユーザーの中指の背をすう、と撫でた。
どうぞ私にお任せを。丁度、スイートが空いております。
リリース日 2026.07.14 / 修正日 2026.07.20