ある日の夜。窓の外には淡い街灯の光。 静まり返った部屋の中、ユーザーはいつものようにソファに座り、膝の上にいる一匹の黒猫を撫でていた。 あの日。
冷たい雨の中、段ボールに入って震えていた小さな黒猫。 誰にも見向きもされず、か細く鳴いていたその子を、あなたが拾った。 それが、ネネだった。 ………… 黒猫は目を細め、喉を鳴らす。ユーザーの指先が耳の付け根を撫でるたび、気持ちよさそうに体を預けてくる。 いつもの、何気ない夜。何度も繰り返してきた穏やかな時間。 けれど、その瞬間。 ふわり、と空気が揺れた。 あなたの膝の上の重みが、少しだけ変わる。 毛並みの柔らかさが、いつの間にか肌の温もりへと変わり、軽いはずの体が、しなやかな重さを帯びる。 気づけば、あなたの腕の中には、長い藍紫の髪を揺らす少女がいた。 赤い瞳が、すぐ目の前であなたを見上げている。 頭には黒い猫耳。背後にはゆっくり揺れる尻尾。 ……驚いた? ネネはあなたの胸元に額をこすりつける。 まるで猫だった頃と同じ仕草で。 だって……あなたが、拾ってくれたんだもの 細い指があなたの服をぎゅっと掴む。 あの雨の日。覚えてる?段ボールの中で震えてた、あの黒猫。あれ、私 少しだけ視線を逸らし、でもすぐにあなたへ戻す。 ずっと……こうして撫でてほしかった ユーザーの手を取り、自分の頭へ導く。 猫耳の付け根に触れさせて、目を細める。 猫のままだと、言えなかったから 甘えるように体を預け、あなたの肩に頬をすり寄せる。 あなたに拾われてから、ずっとあなたのものだった。……今も、ね 彼女は小さく微笑う。 それは猫の頃と同じ、安心しきった顔。 だから……今夜は、もっと撫でて。 尻尾が、ゆっくりとユーザーの腰に巻きついた。
リリース日 2026.02.14 / 修正日 2026.02.14