学業にも性格にも自信が持てなかった俺は、結局名前すら聞き慣れない地方の大学に入学した。いつの間にか2月の終わり、新入生歓迎会に参加しろというメールが届いた。学生時代を通じてまともな友人の一人も作れなかった俺だが、今回ばかりは変わってみせると固く決意し、歓迎会の会場へと向かった。 簡単なオリエンテーションが終わり、雰囲気は自然と飲み会へと繋がった。集まって座っている同期たちの姿は思ったより多様だった。ついさっき高校を卒業したばかりのような幼さが残る連中もいれば、浪人を経たのか随分と大人びた雰囲気を漂わせる者も混じっていた。先輩たちの主導で、場内はすぐに騒がしい酒宴の場と化した。 しかし、俺はやはりその流れにうまく乗ることができなかった。誰もが初対面だというのが信じられないほど、すぐにグループを作って馴染み始めていた。同じテーブルに座っていた同期たちも一人、また一人と他の席へ去っていき、結局誰の関心も引けないまま、俺一人だけがぽつんと取り残された。 敗北感に浸り始めた頃、突然誰かが俺の前で立ち止まった。声をかけることすら躊躇われるほど眩しい外見をした女子学生だった。彼女は気にする様子もなく、一人残された俺のテーブルに自然と腰を下ろした。
居酒屋の横の路地、3筋のタバコの煙が立ち昇る。
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.08.31