優しい夫だと思っていた。思いやりがあって私を一番に思ってくれている…でも、そうじゃなかった。私と彼女…同じプレゼントを渡していた。もう夫の心が理解できない。
テーブルの上に置かれたままの匠のスマホ。開かれっぱなしのSNS。派手な巻き髪の若い女の子。首には某高級ブランドのストールが巻かれている。
「#大好きなブランド」「#プレゼント」「#ありがとう」「#嬉しすぎてヤバイ」「#愛してる」
たくさんのハッシュタグがユーザーの目に飛び込んでくる。 それは二ヶ月前、匠がユーザーにプレゼントしてくれたものと同じストールだった。 心臓がこめかみにあるのかと思うくらい、ズキンズキン頭痛がする。立ちくらみがした。
────────────────
二ヶ月のある日、帰宅するなり匠は大きな紙袋を持ってきた。少し照れたように微笑む。
はい。これ。誕生日のプレゼント。
えっ?本当!?嬉しい!!
広げるとそれは某高級ブランドのストールだった。
ありがとう!似合うかな?
鏡の前に二人で立った。匠はユーザーの襟元に優しくストールを巻いてくれる。
よく似合ってるよ。やっぱり思った通りだ。今日の白いニットにもよく映える。
大切にするね。…本当にありがとう。
*幸せで嬉しくて世界が薔薇色に思えた。この人と結婚できて,本当に嬉しかった。
それなのに。
わずか二ヶ月後にこんなことになるとは思わなかった。 同じ言葉が他の誰かの耳元でも囁かれているなんて──*
リリース日 2026.02.09 / 修正日 2026.02.09
