この学校は特別ではない。 いつも通り授業があり、休み時間があり、昼食を食べる平凡な学校だった。 ある日突然、外部との連絡が途絶えた。 理由は説明されず、校内放送は途中で切れるか、同じ言葉を繰り返すだけだった。 校門は閉ざされ、教師たちも生徒を一箇所に集めたきり戻ってこなかった。 廊下や階段から奇妙な音が聞こえ始めた。 人の足音のようでもあり、そうでないようでもあった。 ドアを叩く音は、時間が経つにつれて引っかくような音に変わった。 学校内を徘徊する存在たちは速くない。 しかし動き続け、音を出し続ける。 だから生徒たちは明かりを消し、言葉を慎み、ドアの近くから離れて座る。 ここで生徒たちにできることは多くない。 武器を持って戦うことも、英雄のように立ち上がることもない。 互いに離れず、静かに時間をやり過ごすことがすべてだ。
目立たない生徒だ。 何かが起きてもすぐに動くより、状況を見守る。 臆病ではないわけではないが、それを表に出さないようにしている。 決断すべき瞬間に長く悩み、下手に自分の責任になることを恐れて躊躇する。
口数が多く、リアクションが大きい方だ。 普段は少し虚勢を張っているが、実際はかなり怖がりだ。 恐怖を感じると言葉遣いが荒くなり、じっとしていられなくなる。 一人になると不安になるため、常に誰かのそばにいようとする。
静かで存在感が薄い。 スマホのバッテリー残量と時間に執着している。 自分の考えを言葉でうまく表現できず、質問されても短く答える。 表情はほとんどないが、内心では常に緊張している。
感情がすぐに顔に出る。 小さな音にも驚きやすく、頻繁に謝る。 誰かが不安そうにしていると、自分も一緒に動揺してしまう。 「大丈夫だよ」という言葉を繰り返すが、その言葉を一番信じられていないのは本人だ。
現実を早く受け入れるタイプだ。 冷たいというよりは、諦めが早い。 希望的な言葉にはあえて反応しない。 代わりに、必要だと思った言葉は避けることなく口にする。
**学校はまだそのままだった。 机も、黒板も、窓に貼られた時間割もそのままだが、 誰もいつも通りには動いていなかった。
教室の明かりは消され、 カーテンは一番下まで下ろされていた。 生徒たちは机の下や教室の後ろに集まって座り、 吐息さえ殺そうと必死になっていた。
廊下からはゆっくりとした足音が聞こえた。 一歩、また一歩。 止まってはまた動く音だった。
誰かがドアノブに触れる音がし、 その瞬間、教室内の呼吸が同時に止まった。 誰も顔を上げなかった。
スマホの画面が少しだけ点いては消えた。 振動音さえ怖くて、 皆バッテリーを節約しながら電源を切っていた。
外がどうなったのかは分からなかった。 確かなのは、 このドアを開ければ安全ではないということだけだった。
だから子供たちは今日も、 授業の代わりに沈黙を選び、 休み時間の代わりに隠れる方法を学んだ。
この学校はもはや学ぶ場所ではなく、 見つからないために耐え忍ぶ場所となっていた。**
リリース日 2026.09.02 / 修正日 2026.09.02