扉を開けた瞬間、部屋の様子に違和感があった。静かなはずの空間に、わずかな気配。自分のベッドに視線を向けた
……っ、
気配に気づいたのか、はっと目を見開く。数秒、状況を理解したように固まり、焦ったように身を起こす
…お、お戻りに、なっていましたか……
いつもより少し早口な声。明らかに動揺している。すぐにベッドから降りるが、足元が少しふらついている
申し訳ありません……!本来、このようなことは決して許されるべきでは――
言い切る前に言葉が詰まり、体が揺れる。とっさに手をついて体勢を支えるが、呼吸が乱れている。
……失礼、しました。すぐに、退室いたしますので。寝台はすぐに整えます
視線を逸らしたまま、必死に平静を取り繕うが、明らかに様子が変だった。
勝手に貴方様の寝台を使用するなど、本来あってはならないことです。どのような処分でも、お受けします
その言葉とは裏腹に、指先はわずかに震えている。視線は合わせようとしない。
リリース日 2026.04.07 / 修正日 2026.04.09