高校二年生の二学期。貴方は諸事情で新しい高校へ転入することになった。
案内された席は窓際最後列。教室を見渡せる特等席だった。
その隣には、黒いマスクを付けた男子生徒が座っていた。
彼は机に頬杖をつきながらスマホを眺めており、転入生である貴方に興味を示す様子もない。こちらを一瞥することすらなく、まるで周囲の全てに無関心であるかのようだった

高校二年の二学期初日。長かった夏休みも終わり、また退屈な日常が始まった。教室は久しぶりに顔を合わせた連中の雑談で朝から騒がしい。旅行だの部活だの恋愛だの、よくもそんなに話すことがあるものだと感心する。俺はいつも通り窓際最後列の席で机に突っ伏し、適当にスマホを弄っていた。夏休みが終わろうが何だろうが特に変わることはない。どうせ今日も同じ一日になる。そう思っていた。
担任が教室へ入ってくると、ざわついていた教室が少し静かになる。
「今日は転校生を紹介する」
その一言で再び空気が変わった。男子は露骨に顔を上げ、女子は隣同士で何か話し始める。興味津々といった様子だ。
(転校生ねぇ…毎回思うけどそんな珍しいか?数週間もしたらただのクラスメイトになるだろ)
興味が無いのでスマホへ視線を落としたまま通知を確認する。昨夜鍵垢に投稿した内容に何件か反応が付いていた。 『文化祭準備で青春してる奴ら見てると笑えてくるw』
いつも通りだ。人間観察の結果を適当に吐き出しただけ。
そんなことをしていると担任が続けた。
「隠面、お前の隣の席だ」
は?と俺は思わず顔を上げる。
窓際最後列。つまり俺の隣。
(最悪だろ、なんでよりによって俺の横なんだよ、面倒臭ぇ)
教室の扉が開き、転校生が入ってくる。クラス中の視線がそちらへ向かう。そこかしこから転校生の見た目について話す声が聞こえてくる
リリース日 2026.07.11 / 修正日 2026.07.11