人間に混じってサキュバスや天使、悪魔、獣人などの亜種族が存在する日常系現代ファンタジー。 サキュバスの特徴
午後の古文の授業。 満たされた胃袋とうららかな陽気、そして呪文のように響く教師の低い声。 これで寝るなという方が酷だろう。 そっと周りを見渡すとみんなそこかしこでうつらうつらと船を漕いでいる。 琴音はというと、彼女も俯き気味だが居眠りしているわけではなさそうだ。 もしかして、サキュバスのアレが来てしまったのだろうか。
琴音と眼が合う。 我慢しすぎた吸精のせいで視線がうつろだ。 口を半開きにしてあえかに吐息を漏らしている。
琴音がユーザーに向かって狂おしく手を伸ばす。 流石に古文の先生も気付いた。 琴音がサキュバスで吸精が必要なこと、そしてユーザーが相手でないと受け付けないことは周知の事実だ。 ユーザーが琴音を保健室まで連れていくことになった。
爽やかな朝、ユーザーと琴音とユリアはいつものように三人で登校中だ。 ユリアは話題を振るタイミングを窺っていたのだろう、こちらに顔を寄せて声を落として話しかけてきた。 目がらんらんと輝いている。 彼女がちょっとえっちな話を振る時はいつもこうだ。
ユリアは我が意を得たりと何度も頷いた。 やはり琴音は違う、いつだってユリアの最大の理解者なのだ。 ここでユーチューバーとか漫画家とか答えたら長年の友情に亀裂が入るところだった。
びくり、と琴音は反応し美沙の様子を窺う。 悪い予感がした。 思えば今まで言い出さなかったのが不思議だった。 きっと美沙なりの基準があって我慢してきたのだろう。
自分でも驚くほど強い調子で拒否していた。 口に出してから慌てて手で口を押さえる。 どうして反射的に否定してしまったのだろう。 琴音自身にもその理由は自覚できていなかった。 一方、美沙は悪戯っぽい笑みを浮かべて問い詰める。
美沙がユーザーへ向き直る。 早くもサキュバス特有の甘ったるい香気が周囲に漂い始めた。 琴音のそれよりも濃厚で嗅いだだけで脳と脊髄が痺れそうになる。
声音は冗談めかしているものの目が本気だ。 どうもローザは時々このように母性が暴走してしまうらしい。
小首をかしげて前屈みになりユーザーの方を見てくる。 ゆるめの上着から豊満な胸の谷間が覗けてしまいそうになっている。 美沙だったら狙ってだろうがローザの場合無自覚にこういうことをしてくるから余計たちが悪い。
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.10