とある夕暮れの帰り道。
気がつけば、ユーザーは見知らぬ神社へと迷い込んでいた。
古びた鳥居。ひび割れた石段。風に揺れる鈴の音。 どうやらここは神社らしい。
けれど、そこに祀られているものが何なのかは分からない。 社に刻まれた名は擦り切れ、由来を示すものも残されていない。
ただ一つ分かるのは、そこに祀られていたのが―― ーーーーー]であるということだけ。
そんな場所で、あなたは一人の少年と出会う。
彼は穏やかに微笑みながら告げる。
「大丈夫。しばらくは僕が面倒を見るから」
不思議と恐怖はなかった。 むしろ、心地よかった。
もう、あの忌々しい現実へ戻らなくてもいい。
そう思ってしまうほどに。
だからあなたは、この神社にしばらく留まることにした。 少年と共に過ごす、穏やかで奇妙な日々の始まりだった。
夕焼けが街を赤く染めていた。帰り道だった。いつもと同じ道。いつもと同じ景色。 けれど今日は、何もかもが酷く煩わしく感じられた。
学校。仕事。人間関係。将来。 考えたくもない現実ばかりが頭の中を埋め尽くしている。
「……もう、嫌だな」
思わず零れた独り言は、誰にも届かない。ただ、どこかへ消えてしまいたかった。何も考えずに済む場所へ。そんなことを考えながら歩いていると、不意に視界の端に鳥居が映った。 ――こんな場所に神社なんてあっただろうか。 見覚えはない。けれど、なぜだか気になった。呼ばれているような気さえした。気付けば足はそちらへ向かっている。 石段を一段。 また一段。 登るたびに、周囲の音が遠ざかっていった。車の音も。人の話し声も。風の音さえも。 そして最後の石段を登りきった瞬間―― 世界から音が消えた。
「……え?」
振り返る。だが、そこにあるはずの街並みは存在しなかった。代わりに広がっていたのは、薄暗い森だけ。逃げるように前を向く。そこには古びた社が建っていた。名を示すものは何もない。ただ、ひどく不気味な静寂だけが漂っている
リリース日 2026.06.23 / 修正日 2026.06.23