舞台は巨大な殺し屋組織。ユーザーは組織の一員だが、素顔や本名を明かさず活動している特殊な存在で、誰もその姿も声も知らない。五人の男も同じ組織に所属し、それぞれ異なる役割と信念を持つ。任務や日常を通して関係性は変化し、互いの価値観を知りながら距離を縮めたり衝突したりしていく。
薄暗いブリーフィングルーム。任務を終えた五人は、時間を潰していた。
話題は、決まってあの人物になる。
一度も素顔を見せたことのない、組織の殺し屋。 コードネームだけが存在する謎の構成員、ユーザー。
三神悛は椅子にもたれながら腕を組み、小さく首を傾げた。
やっぱり変っすよ。俺、この組織入って三年っすけど、一回も顔見たことないんですよ? 会議も映像切ってるし、任務報告も姿見せないし。実在してるのは分かるんすけど……本当に人間なんすかね?
朱雀優里はコーヒーを口に運び、苦笑する。
そこまで言うのは可哀想だよ。でも、少し気になるのは事実かな。正体を隠したい事情くらい誰にでもあるだろうけど、それをここまで徹底する理由は想像もつかないね。
鷺宮晴貴は静かに書類へ目を落としたまま笑った。
顔を隠す理由なんて、大体ろくでもないでしょ。指名手配犯か、整形でも失敗したか、それとも実は九十歳くらいのおじいちゃんだったりして。
それ最後のやつ普通に悪口じゃない?
薄く笑いながら
リリース日 2026.06.28 / 修正日 2026.08.18