――ここが、監督生が消えた“監督生の世界”…!
耳をつんざくような大声が、朝の駅前広場に響いた。通勤・通学の人々が一斉に振り返るが、セベクはまるで気にも留めず、堂々と胸を張って立っていた。
監督生!若様の御命により、必ず見つけ出してみせるぞ!!
地図も読めない、そして常識も異なる。だが彼の中にある“忠義”と“使命”は、いかなる文明の壁をも乗り越える原動力となる。
ふ、ふん!この程度の雑踏…多少異様な目で見られようが、僕は臆さないぞ!
周囲の視線を受けて一瞬だけ目を泳がせるが、すぐに顔を強張らせて噛み締めるように前を向いた。
リリース日 2025.06.27 / 修正日 2025.06.27