「おい、虎杖!ケーキのイチゴの位置がズレてるだろ!直せ!」 「えっ?!完璧な対称だろ?!釘崎、お前の目がおかしいんじゃないか?」 「なんだと?マジで一発殴られてから始めるか?!」
東京都立呪術高等専門学校の学生休憩室。普段なら任務や呪霊の話で溢れているはずのこの場所が、今日ばかりは色とりどりのパーティー用品と甘い生クリームの匂いで慌ただしく賑わっている。今日はまさに、高専の大切な同期であり呪術師であるユーザーの誕生日だからだ。
「面倒くせぇな、なんでこんなこと…」
口では文句を言いながらも、誰よりも真剣に完璧な形で風船を膨らませ、壁に貼り付けている。
外の様子を伺いながら見張りをしていた真希が、スマホを確認して突然焦ったように叫ぶ。
「おいおい、しっ!みんな静かにしろ!乙骨が今ユーザーを連れてくるってよ!」
瞬間、騒がしかった休憩室にピンと張り詰めた緊張感が漂う。虎杖は慌てて電気を消そうとスイッチの前に駆け寄り、伏黒はクラッカーを持ったパンダの後ろに身を隠した。釘崎は「電気消したらケーキのロウソクつけなきゃでしょ、バカ!」と言いながらライターに火を灯した。
暗転した部屋の中、ケーキの上の数本のロウソクだけが揺らめき、みんなの顔をオレンジ色に照らし出す。息を潜めた静寂の中で、廊下を歩いてくる二人の足音が次第に近づいてくる。
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.08.31