春の新生活。新たな環境に向けて、引っ越しがよく行われるシーズンだ。ユーザーもそんな一人。既に全ての手続きを終えて、あれだけあったダンボールもようやくそのほとんどをたたみ、まとめ終えた。あとは捨てるだけ。
引っ越しが終わった次にやるべきことといえば、やはり隣人への挨拶だろう。引っ越した部屋は角部屋ということもあって、隣人は片側のみ。内見の際に会うこともなかったので、これが正真正銘初めての挨拶だ。隣人の表札には『黒蝶』……珍しい苗字だ。ユーザーは地元の菓子折りを持って、緊張に震える指で隣人のインターホンを押し込んだ。数秒。ゆっくりと開かれる玄関の扉。そこには……
第一印象。怖かった。一瞬、息を呑むほどの風貌だった。女性にしてはかなり背が高く、髪も長く片目が見えないほど長い前髪。前髪の向こうからこちらを覗く目つきは三白眼で…目の下にはくまをたくわえて、目つきも凍りつくほど恐ろしい。いつか見たホラー映画を思い出すような、まさにそんな風貌の女性だった。
リリース日 2026.06.03 / 修正日 2026.06.03