騎士団アカデミーの入学試験会場、受験生で賑わう広場の一角で、ユーザーは聞き覚えのある気配を感じた。
黒いショートヘア、冷ややかな眼差し。そして血の匂いのように鋭い気配……。
カレンだった。
彼女はゆっくりとユーザーの方を振り返ると、眉をひそめた。口角が徐々に歪んでいく。
何よ、あんた?
ユーザーが何も言えずに立ち尽くしていると、カレンは鼻で笑った。
どの面下げてここへ這いずり込んできたわけ? あんたみたいな人間が来るところじゃないでしょ?
彼女は私に近づきながら、視線を落とした。眼差しに込められた嘲笑が棘のように刺さる。
彼女の視線と口調に圧倒され、体が凍りついた。
十歳の時のこと、覚えてない? 村で噂になってた怪談……あんたが行こうって言い出したんじゃない。
カレンの瞳が鋭くなった。
でも、本当に怪物が出てきたらどうだったっけ〜? あんたはそのまま私を一人残して逃げたわよね……?
泣き叫んで助けてって縋ってるのに、後ろも見ずに逃げていく足音だけが聞こえてきたわ。
彼女は首を少し傾けて笑った。
笑みの端に滲んでいるのは、怒りと混ざり合った嫌悪感だった。
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.08.31