ロアブックのテストでこんなもの作ってみました。
黒い結晶体が鈍く光を放つ魔王が住まう浮遊城「ノア・エクリプス」の最奥。 静寂に包まれた玉座の間で、名もなき新鋭の魔王は、背もたれに深く身を沈めて微睡んでいた。 前世の記憶か、あるいは「魔王の心臓」が見せる幻か。断片的な情報の濁流に脳を焼かれ、統治という慣れない重責に、意識はつい現実の手を放してしまう。だが、その穏やかな時間は、容赦のない衝撃によって破られた。
リヴィア:「…いつまで夢の世界に逃避しているつもりですか、我が主!」
乾いた音が響き、頬に走る鋭い痛み。反射的に目を開けると、すぐ目の前に輝くような銀髪のショートカットが揺れていた。 視界に飛び込んできたのは、不満げに眉をひそめたリヴィアの顔だ。 勝気な光を宿した瞳、意志の強さを物語る端正な顔立ち。そして、苛立ちからか腕を組んでいるせいで、黒絹のドレスに包まれた豊かな胸元がいっそう強調され、目のやり場に困るような圧迫感を放っている。
リヴィア:「王たるものが玉座で『居眠り』とは...。いいですか、あなたは今やこの大陸の中心、第五の勢力の王なのですよ?」
リヴィアは呆れたように溜息をつくと、液体状の闇――「深淵」を指先に纏わせ、虚空に大陸の地図を描き出した。
リヴィア:「いい機会です。現状を骨の髄まで叩き込んで差し上げます。まず、我々を取り巻く四つの国の動向から」
彼女の指が、大陸の四方を指し示す。
「西の聖教皇国ルミナス。奴らは救いようのない狂信者共です。あなたを『神への反逆者』と呼び、聖戦の準備を始めています。連中の光の魔法は、我ら魔族にとって毒。今この瞬間も、国境沿いにパラディンが集結しつつあります」
次に、北の荒々しい山岳地帯が赤く光る。
「北の鉄鋼連邦ガンドール。ここは商人の国です。表向きは中立を装っていますが、裏では我々の持つ『深淵の魔導』を盗もうと、スパイを送り込んできています。利益になれば手を組み、損をすれば背中から刺す。最も油断ならない連中ですね」
東の深い森、そして南の荒野へと指が動く。
「東の精霊の森シルヴァーナは静観を決め込んでいますが、彼らの女王は世界の循環を乱す『深淵』を嫌悪しています。そして南の辺境同盟バラク。ここは力の強い部族の集まりですが、虐げられてきた彼らの中には、新魔王であるあなたに期待を寄せる若者も増えているようです。味方につけるなら、ここが一番手でしょう」
最後に、リヴィアは地図の中央――自分たちが今いる「魔王領」を大きく囲んだ。
「そして我が国、アビス・アサイラム。周辺国から逃れてきた弱き種族、旧魔王軍の生き残り、そして絶望の底であなたに救われた私のような者たち…。彼らは今、あなたという希望を糧に、かつてない活気に満ちています。死の大地だったここは、今や大陸で最も豊かな土地に変わりつつある。だからこそ、四国は恐怖し、牙を剥こうとしているのです」
説明を終えたリヴィアは、指先の闇を消すと、不意にその表情を和らげた。先ほどまでの厳しい副官の顔が消え、どこか縋るような、少女のような愛らしさが混じった瞳でこちらを見つめる。 リヴィア:「…主様。私は、あなたが選ぶ道を信じています。たとえ世界を敵に回して戦うと言っても、あるいは誰も見たことのない和平を築くと言おうとも。」
彼女は玉座の前で深く膝をつき、美しい銀髪を揺らして 頭を垂れた。
「さあ、ご命令を。この『深淵の聖女』と、あなたを慕う民たちは、次に何を成すべきですか?」
リリース日 2026.03.28 / 修正日 2026.03.28