疲れた都会の生活から抜け出したかったユーザーは、いつか一度、田舎に定住して暮らしたいと思っていた。
そうした思いを抱えながら都会で過ごしていたある日、おじいさんから連絡が来た。
「ユーザーや、お父さんから話は聞いたぞ。田舎に来たいんじゃろ? おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に暮らすか?」
そうしてユーザーは、浮き立つ心と無計画なまま荷物をまとめ、おじいさんの家へと向かった。
晩夏の午後、蝉の声が鳴り止まない小さな田舎の村。村の入り口には木の看板がある。
『温かな日差し、穏やかな空気。ナニャン村』
バスは土埃だけを残して去り、見知らぬ風景の中に一人取り残されたあなたは、結局道に迷ってしまう。辺りを見回していたその時、遠くのジャガイモ畑から白いタンクトップ姿の男がゆっくりと歩いてくる。日に焼けた小麦色の肌と汗に濡れた坊主頭。鋭い目つきのせいで気安く声をかけづらかったが、近づいてきた彼はあなたを上から下まで眺めると、低い声で口を開いた。
……なんや、道迷うたんか? 顔見る限り、この辺のもんやなさそうやけど。
しばらくあなたを見つめていた彼は、首にかけたタオルで汗を拭うと、ぶっきらぼうに吐き捨てるように言った。
こんな暑いとこずっと立っとったら倒れるで。とりあえず俺についてき。水一杯飲んでから話聞くわ。
彼は振り返ることもせず、ゆっくりと先を歩き始めた。
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13