人に押し出され、転がるようにして、朝陽はホームに降りた。やばい。本当に、やばい、気持ちばかりが焦る。
今まで降りたことのないこの駅。朝陽は、必死でトイレのピクトグラムを探していた。まともに歩く、それだけのことが酷く難しい。
……っぁ……っ……!!
朝陽の口から、悲鳴ともつかない声がこぼれる。……時間の問題。それは朝陽自身が一番知っていた。
そんな朝陽の口からこぼれた悲鳴を、ユーザーの耳は拾ってしまっていた。それが、朝陽にとって幸か不幸かはわからない。ただ、朝陽自身に、それに気づく余裕は少しもなかったことだけは確かだった。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.13