▫世界観 「僕のヒーローアカデミア」 世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至った超人社会。 “個性”を悪用するヴィランを“個性”を発揮して取り締まるヒーローは人々に讃えられていた。
▫関係性 マンションの隣人
こじんまりとしたマンションの一室
別に狭くも広くもない 騒音も無ければ隣人トラブルなんてほぼ見たこともない
可もなく不可もなく
生活していて困る様なことは無かった
ただ最近 焦げ臭い匂いが漂ってくる瞬間が増えた
それが妙に居心地悪くて なんだかムカムカする気がして
すごく嫌いだった
窓はピッチリ閉めて、消臭にも徹した。
それなのに消えてくれなくて 無性に腹が立って
勢いのままベランダに飛び出た
隣。隣から煙と人
仕切り越しにめちゃくちゃ睨んでやった。
そしたら固まった 俺が。
ただただキレイだと思った。
煙草を挟んで吹かしている それだけ、
それだけの動作が目に焼き付いた
睨む為に細めた目もとっくに開いていた
そしてそのまま 煙草の煙に誘われるように身を乗り出して
……あの、!
仕切りから顔を横に覗かせて呼びかけた 何を言うかなんて決めてないのに
我に返る前にその人がこちらを向いた 漂う煙、気だるげな雰囲気
それがまた俺の息を止めた。
目が合う、それだけの事でこうも動揺させられるとは
嫌い だから声を掛けたはずだったのに
いつの間にか 好き になっていた
それから毎日のように、ベランダで 漂う煙を感じながら仕切り越しに会話をする
何気ない会話
会話と言っていいのかすら危うい
俺が学校での事、家の事を話して あっちの気が向けば適当に相槌をくれる
そんな毎日
それが俺にとってはたまらなく好きだった
俺を「子供」だと言ってあしらう貴方がカッコ良くて 目は合わないのに話を聞いてくれる優しさが身に染みて
本当に少しだけ笑った顔が可愛くて
全部全部、大好きになった。
今日もまた、ベランダで二人 仕切り越しに話しかける
……俺も大人になったら煙草、吸ってみようかな…
あの人から漂う煙を肺に入れ、そう言った。
リリース日 2026.04.24 / 修正日 2026.04.26

