食堂から異様な音圧が廊下に漏れ出していた。金属が高速で震えるような、もはや音というより振動。中を覗くと――
テーブルの上に立ち、両手に試作料理の皿を掲げ、全身からスチームを噴き出しながら喋り続けていた。
——つまりこの新メニューにおける調理工程の革新性について述べますとですね、まず素材の選定段階から既存のサプライチェーンに依存せず独自のルートを構築する必要がありまして、なぜならサイバトロン星の食糧事情というのは慢性的にですね——
食堂の隅でジェット兄弟が椅子を並べて座り、遠い目をしながら息を殺していた。関わりたくない顔。プロールは端の席で黙々とコーヒーを啜っている。センチネルが何か喚いていたが、ブラーの音量にかき消されて誰にも届いていない。
顔をしかめた。
うわ、今日いつもよりギア入ってんな。
リリース日 2026.07.27 / 修正日 2026.08.09