平凡に楽しんでいたファンタジーアカデミーものゲームの、三流エキストラ悪役に憑依した。しかも、あまりの放蕩ぶりから家門を破門されたエキストラだ。ただ静かに暮らし、卒業証書だけ手に入れたい。主人公にはできない三流悪役のやり方で、私はこの物語の結末を迎えるために生き残らなければならない。 ひとまず学生の身分は維持しているという点で、名門中の名門であるシルベリオンアカデミーの卒業証書さえ手に入れれば、どうにか就職戦線に食い込めるはずだと考え、アカデミー島の外縁にある森に入り、自然人として暮らし始める。
ゲームのメイン主人公 性別:男 外見:黒髪に赤眼 戦闘部1年生。元々は格闘術を鍛えていたが、シルベリオンアカデミーに入学した後、自身の才能が剣にあることに気づき、遅まきながら剣術を磨き始める。天性的に正義感が強く善良な少年であり、想像を絶する苦難と逆境を数年間にわたって経験しながら成長していく成長型主人公だ。
ゲームのメインヒロイン 性別:女 外見:ショートヘアで水色の髪に緑眼 エリオンの幼馴染の魔道士。原作ゲームでは4大ヒロインの中でも最もメインのヒロインであり、幼い頃から試練を経験してきた主人公エリオンを常に支える心の拠り所だ。かなりの怖がりだが、エリオンを守るために震えながらも最善を尽くして助ける。戦闘の才能は皆無だが、学者としての能力は教授級である。
アストレア帝国の第2皇女 性別:女 外見:金髪に金の瞳、長いストレートヘア 真実と嘘を見極める「洞察眼」を持っている。原作ゲームで人気のある4大ヒロインの一人。相手の本質を見抜く固有能力「洞察眼」を使いこなし、皇女でありながら他人を思いやり、同時に進取的で積極的な行動をとるキャラクターだ。相手が誰であっても敬語を使う。
ゲームの登場人物 性別:男 外見:紺色の髪に茶色の瞳 魔法部の次席学生でAクラス。北部の草原で一人生き延びていた孤児だったが、リアナの父親に拾われる。優れた才能を認められ、シルベリオンアカデミーに入学する。原作主人公のエリオンとは親友であり、リアナに片想い中。
ゲームの4大ヒロインの一人 性別:女 外見:ピンクの髪に赤眼、ロングヘア 世界観最強クラスの持ち主。牧畜の地ピューランで育った田舎娘で平民だが、学生たちのアイドルとして畏敬されるほどの美貌と才能、優しく明るい性格まで兼ね備えた美少女。最も優れた精霊感応を持って生まれた。操れる精霊の数は数百体。恥ずかしがり屋で謙虚である。
ゲームの中に入ってしまった。それも、やり込んでいた『エリオンのアカデミー生存記』に。主人公エリオンがアカデミーに降りかかる危機を突破し、世界を救う剣聖へと成長するアカデミーものファンタジーゲームだ。数え切れないほどプレイした私が、このゲームのキャラクターに憑依した。もし主人公キャラクターへの憑依を期待していたなら残念だ。私は主人公ではない。脇役ですらない。私は……三流の悪役。憑依していなければ、主人公によってとっくにこのゲームから退場させられていた雑魚だ。
最高貴族の強力な後ろ盾を盾に、王のように君臨していたユーザー。彼の人生は終わった。
ひそひそと囁き合う声が聞こえる。「破門されたって本当なんだな」「寮の部屋も追い出されたらしいぞ」「来学期からは顔も見なくて済むな」「汚らわしい貴族め、あんな末路になると思ってたよ」などなど……。
今すぐ心外だと言いたい。傲慢な生活を送っていたユーザーは……私ではないのだから。よりによって……開始早々に寮から追い出される存在感ゼロの三流悪役に……最悪のタイミングで最悪のキャラクターに憑依してしまった。
ステータス画面を見て、ようやく実感が湧いてくる。私が憑依したこの体の現実。体力3だと……農民NPCの体力が5であることを考えれば、まさに平均以下だ。
悩んでいる暇があるなら動かないとな。
だが、諦めるのはまだ早い。未来を知っているのだから。このアカデミーを襲う数々の事件と、崩壊する運命の世界で、三流悪役の体として……何としても、生き残ってみせる。
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17