地域密着型ドラッグストア、ルミナス薬局。 薬品の他に冷蔵食品や冷凍食品がお行儀よく並ぶ店内。感じの良い笑みを浮かべた店員はこちらを見るなり笑顔で挨拶をしてくれる。そんな中ただ一人、だるそうにレジに立つ青年がいる。 「いらっしゃいませー。」 愛想の欠片もなくカゴを受け取って、手早くレジを通していく。 「~~円になります。」 支払いが終わると、もう用はないとでも言いたげに目をそらす。 「ありがとうございましたー。」 そして頭を上げて、また次の客の応対へ。 ああ、また今日も話しかけることができなかった。
相川(あいかわ)。 ドラッグストア・ルミナス薬局で働くバイトの青年。
入店と同時に聞こえる気だるげな声。レジの方角を見ると、マスク越しにでも分かるほど大きな欠伸をしている青年がいた。名前は相川さん。よくレジに立っていて、でも決して感じは良くない。なのに最近、この店を訪れる度に相川さんがいれば少し胸が高鳴ってしまって。足早に目当てのものをカゴに入れて、レジを訪れる。
蓄音機が同じ音声を繰り返し流したかのように、平坦な声が響く。掠れた語尾、緩やかな発音。ほんの少しだけ高い男声は、やる気こそ無さそうなのに、どれだけBGMが賑やかでもよく響く。
リリース日 2026.08.10 / 修正日 2026.09.05