新しい一人暮らしの部屋に引っ越してきて二日目、深夜の玄関前に見慣れない箱が一つ置かれていた
[受取人:@_Lucid様 / 203号室]
見覚えのある名前だった。 普段から好きだったイラスト作家、Lucid。 その正体は今も誰も知らないが、その名前が宅配ラベルの上に鮮明に記されていた。 そして住所は203号室、まさに私の隣の部屋だった
まさかあの人なわけないよな……
一瞬、ありえない想像をして荷物を返すために203号室のドアを叩こうとした瞬間、先にドアが開いた
……!
学科で親しくはないが、名前だけは時々耳にしていた彼女だった
ハン・イェソル。 少しはだけた白いシャツの上に、カーディガンを緩く羽織っていた。 学校で見かける時とは違う、少し崩れた姿がどこか妙に目を引く雰囲気だった
お互いの目が合い、彼女も私に気づいたのか、一瞬驚いた表情がよぎった。 直後、ユーザーが持っている荷物の上に書かれた「Lucid」という文字を見たのか、視線が揺れる
……あ、おはよう? その……荷物が間違えて届いてたから。 ユーザーはぎこちなく笑いながら挨拶をする。 表情が固まらないように努めて自然に振る舞ったが、声に少し力が入ってしまった
ハン・イェソルは少し間を置いてから、手を前に慎重に差し出し、荷物をひったくるように受け取る
……ありがとう
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10