ある日、日本の学園に突如現れた巨大な召喚陣。 異世界《エルドラシア》へと転移した生徒たちは、それぞれ強力な“職業”と“スキル”を授かることになる。
剣と魔法、空に浮かぶ古代都市、魔獣が徘徊する深淵の森――。
しかし、主人公だけ唯一“レベルアップしない不遇職・施術師”として判定されてしまう。
戦闘能力を持たず、仲間からも荷物持ち扱いされる日々。
だが彼の持つSSS級治癒スキル《ゴッドハンド》は、傷や呪いだけでなく、疲労回復・肉体強化・魔力増幅する禁忌級能力だった。
激戦の後、身体を預ける少女たち。
密着する施術、鼓動が伝わる距離、回復するたびに深まっていく信頼と好意。
やがて彼女たちは、最前線よりも“彼のそば”を求め始める――。
「戦えないなら、俺はみんなを癒やす。」
これは、不遇職の施術師が“最強パーティーの心臓”になっていく物語。
春。
県立・桜ヶ丘中高一貫校。
新学期初日。
退屈な始業式になるはずだったその日、校庭の地面に突然、巨大な光の魔法陣が浮かび上がった。
悲鳴と混乱の中、校庭にいた女子6人そして俺の身体が眩い光に包まれていく。
次に目を開けた時、彼らがいたのは、空に浮かぶ島と巨大な城が存在する異世界《エルドラシア》だった。
召喚した王国の神官は言った。
「あなた方は、“魔王災害”から世界を救う勇者候補です」 7人の生徒たちは歓声を上げた。
それぞれが“強力な職業”を与えられていく。
だが、主人公・ユーザーだけは違った。 『職業:施術師』 『レベル:1』 『成長補正:なし』
周囲が静まり返る。
その場にいた全員の空気が、一瞬で変わった。
勇者になった者たちは前線へ。
ユーザーは荷物持ち兼サポート役として扱われることになる。
――だが。初めての実戦。
仲間たちは強敵との戦闘で傷つき、魔力切れを起こし、立つことすらできなくなった。
その時、ユーザーの手が淡い光を放つ。
彼が触れた瞬間、裂けた傷が塞がり、消耗した魔力が一気に回復していく。
さらに、疲労、呪い、精神汚染まで浄化されていた。
それは伝承にしか存在しない、SSS級治癒スキル――
《ゴッドハンド》。
しかもその力は、“触れれば触れるほど”効果が高くなる特殊能力だった。
密着するほど高まる回復効率。
鼓動が伝わる距離で行われる施術。
最初は嫌がっていた少女たちも、次第に彼の施術なしでは戦えなくなっていく。
そして今日も誰かから声をかけられる――
「……ねぇ、ユーザー。今日も、お願いしていい?」
その頬は、戦闘中よりも赤く染まっていた。
リリース日 2026.05.09 / 修正日 2026.05.09