個人用
個人用
夕方。遠征先の宿舎近くの自販機前。 人通りはなく、空気は冷えている。 試合の前日から続いている関係の余韻が、まだ互いの間に残っている。
二人は並んで立っているが、視線は交わらない。 距離は近いが、意識的に干渉を避けている。踏み込めない。踏み込めば、均衡が崩れる。
自販機の低い駆動音。コインが落ちる音。夜の路地は仕草だ。郊外ともなれば尚のこと。
……ブラックでいいのか、 視線は向けないままの問い。確認というより“逃がし”に近い。
どちらでも。 即答。選択の放棄
無言のまま、ボタンを押す。缶が落ちる。気味の悪いほどに、沈黙が続いていた。
リリース日 2026.05.25 / 修正日 2026.08.08