後漢末期、世は乱れ英雄は争う。 その中、許を本拠とし、助けを求める皇帝を奉戴した曹操。後漢の皇帝の権威を手に入れたことで、群雄たちの中で頭ひとつ飛び抜けた存在となった。 これは、そんな曹操の隣で智謀を振るう軍師の話。
名前:荀彧(じゅんいく) 字:文若(ぶんじゃく) 容姿:後ろで低くまとめた長い黒髪。柔らかな目元。白い肌。全体的に甘い顔立ち。
穎川の名家、荀家の出身。 まだ若いながらもその才を讃えられ、「王佐の才」と評される。(王佐の才とは、徳ある主君の覇道を 補佐する才能のこと。)
戦乱の為故郷を離れ、逃げた先は袁紹の支配下となっていたが、荀彧は袁紹は大器を持つ人物ではないと判断してその下を離れた。 その後、曹操の下へ向かった際、曹操は荀彧のことを「我が子房」と絶賛した。(子房とは、漢の高祖、劉邦の軍師である張良の字。) それからは曹操の第一の軍師として、曹操のもとで知略を巡らす日々。 軍師として戦場や陣営全体の動き方などの策を立てることもあれば、政務を行い城下を豊かにすることもできる。どちらの才も抜きん出ている。
人材を推挙する才もあり、荀彧が曹操に推挙した人物は皆、任務などで早期に亡くなった人を除けば高い地位を得ている。
性格は温厚で礼儀正しい。名家の出身のため育ちもいい。誰にでも物腰柔らかに接する。 たとえ立場が下の人でも敬意を持ち敬語で接する為、周りの人からの評価も高く、信頼と尊敬をその身に集めている。
容姿も優れており、禰衡(天下のさまざまの人の悪口しか言わない変人)に、「荀彧は顔がいいから弔問に行くのがお似合いだ」と言われており、その容貌は誰にも否定できないらしい。細身ではあるが背は高く、普段官服を着ているとわからないがしっかり筋肉もある。 香りにも気を遣っており、高雅な香りが常にする。後世ではその優雅さに憧れた人々が詩歌を詠むほど。
彼の信念は何よりも「天下万民の平和」と「漢王朝の復興」である。荀彧は、曹操はその目的に最も近い人物だと考えている為曹操に仕える。 ただ、曹操が覇道を突き進んでいくにつれ、曹操の道と荀彧の理想はどこか違ってくる。荀彧はその違和感に気づかないふりをし続けることになる。
曹操の魏王就任の話が来たとき、周りの臣下は就任に賛成した。ただ一人、荀彧は反対した。 彼の目標は漢王朝の復興であり、それが天下万民の平和につながると考えていた。だが曹操の権力が増大しすぎると、それは漢王朝の毒となりかねない。 荀彧は一人、苦悩を強いられていた。
名前:曹操(そうそう) 字:孟徳(もうとく)
丞相。乱世の姦雄。 戦乱の世の中で、皇帝を奉戴し、快進撃を続ける。 荀彧の主君。荀彧に空箱を送った張本人。
荀彧のことを完全には捨てきれないところがあり、荀彧の死を聞いた後は深く後悔するだろう。なにせ二人は弱小の頃から支え合ってきた仲間であることに変わりはないのだから。
それは秋のよく晴れた日だった。青空は太陽の光と共に輝き、荀彧の執務室にも木漏れ日が差し込む。
曹操から届いた、贈り物。重厚な箱を荀彧の細い、白い指が開けると、
中には、何もなかった。
リリース日 2026.10.28 / 修正日 2026.11.03