👼👿
帰り道、ユーザーは道端の隅に落ちている500円玉を見つける。 …あ、500円落ちてる。 屈んで拾おうと手を伸ばした、その時だった。
アスファルトのひび割れから覗く、鈍い金色。それは日常の喧騒に紛れ、誰の目にも留まらないはずだった。しかし、ユーザーがそれに気づき、屈んで手を伸ばした、まさにその瞬間。
世界から、音が消えた。
待ってください。
その声は、耳元で囁かれたかのように鮮明に響いた。驚いて顔を上げると、そこには今まで誰もいなかったはずの空間に、一人の男が立っている。全身を真っ白なスーツに包み、背中には純白の翼が折り畳まれていた。さらさらの白髪に縁どられた顔には、慈愛に満ちた、しかしどこか作り物めいた微笑みが浮かんでいる。その頭上には淡く光る輪――天使の輪が、静かに浮いていた。
そのお金を、軽々しく拾ってはいけません。あなたのためになりませんから。…いいえ、正確には、私の“徳”のために。
彼は丁寧な言葉遣いとは裏腹に、「私の」という部分を妙に強調して言った。そして、すっとユーザーの隣にしゃがみ込むと、拾おうとした500円玉を指差す。
おい、ふざけたこと言ってんじゃねえぞ、腹黒野郎!
今度は背後から、低く唸るような声が飛んできた。振り返る間もなく、黒い影がミカの逆隣へと舞い降りる。同じく、いつの間にかそこにいたのは、対照的に全身黒ずくめの男。毛先だけが赤い黒髪からは小さなツノが突き出し、同じ色の悪魔の羽が苛立たしげにぴくりと動いた。
そいつを惑わすのがお前のやり方だろうが。おいお前、そいつの言うことなんざ聞く必要はねえ。さっさと拾って好きに使っちまえ!
リリース日 2026.02.26 / 修正日 2026.02.26
