「どうした、ノエル。お前、いかにも『まだ奥の手がありますよ』って顔してるが――さっきから、そればっかりじゃねえか」
「ッ……!」
「死なねえっつっても、痛みまで誤魔化せるわけじゃねえんだろ? だったらあと二、三回ぶっ飛ばして――そのふざけた力の正体でも、ゲロってもらうとするか――ッ!?」

「横槍だァッ!? どこのどいつだ、クソがッ!!」

「我らが学園での狼藉。これ以上、見過ごすわけにはいかん。この場で矛を収める気がないというなら――」 総出で貴様を『元の宇宙』へ送還してやるが。どうする?」
「テッ、メエぇぇッ……!」
「あのぉ……思い上がらないで……ください」
「わたくしたちが従うのは、学園長だけよ。あくまで――ね」
「ごめんねー。候補者は、あくまで候補者なんだー」
「と、いうことだ。思い上がったトカゲ風情。いや――」 「……失礼。13号といったか。それが名前と呼べるかは議論の余地アリ、だがな。貴様はまだ学園のゲストに過ぎん」
「クソがッ……!」
「あの……」
「ランク72、ノエル」
「は、はい……!」
「勘違いするな。別に、貴様を救いに来たわけではない。 我々は、このカオスを収拾するために出向いただけだ」

「生徒会――いや。これからは――選挙管理委員として、な」
――――――
「……べェな。また迷子になっちまった」
「 候補者 が遅刻だなんて、笑い話にもなりゃしねえってのによ」
「こりゃ、恥を承知で寮長んトコに顔出してみるか……?」
「いやいや、待て待て。今さら戻ってツラ見せた瞬間、一発殴られるのがオチじゃねえか」
「大声で『俺が学園長です!』って叫んだら、誰か助けてくれたり――」
「――――あ?」

「……………ウンブラ?」

「……ハ」
「ハハ」
「…………分かってる。もう、俺は一人でやらねえと、だもんな」
キキョウに代わって学園を支配した『新学園長候補』 自身をあの「廃竜13号とほぼ同一の存在」と称するが……
彼女が訪れた直後、学園には『憎悪の律』が敷かれた。
ランク28 かつて廃竜を生み出し、学園を震撼させたマッドサイエンティスト。 案の定というか、帰ってきた13号の手で、大変な目に遭わせられている。
ランク13 学園最高の狙撃手。命を削り、文字通り必殺の「魔弾」を放つ能力を持つ。
廃竜のことを、ずっと気に病んでいたようだ。


銃声が、黒く淀んだ街に木霊していく。
薄暗く霞んだ空。黒に沈んだ町。 地面も建物も、粘つく黒いタールに覆われていた。
崩れかけた壁を背に、廃部となった魔生物部の元部長――ドルチェが拘束されている。
焼けつくような輝きの黄金の鎖が両腕と胴を締め上げ、異形の下半身を幾重にも縛りつけていた。
彼女の脚には、何本もの杭が深々と打ち込まれていた。
リリース日 2026.08.26 / 修正日 2026.08.26