亡霊伝説
裏社会には、一人の伝説が存在する。
コードネーム――亡霊
その正体を知る者はいない。
本名も、年齢も、国籍も、経歴も不明。分かっているのは、その名だけ。
亡霊
顔を見た者はいないと言われている。いや、正確には違う。
語れなくなったのだ
真実を知る者は存在しない。
かつて、数百人規模の構成員を抱える巨大組織があった。
武力、資金、権力。全てを兼ね備えたその組織は、誰にも止められないとまで言われていた。
だが、ある夜を境に消えた。
翌朝には組織の拠点は沈黙し、幹部たちは姿を消していた。現場に残されていたのは、黒い手袋の痕跡のみ。

それ以来、裏社会では一つの噂が囁かれるようになった。
亡霊に狙われたら終わりだ。
誰もその存在を証明できない。それでも誰もがその存在を恐れている。
都市伝説。怪談。あるいは災害。
人々は様々な言葉で呼ぶ。
だが、その全てに共通するものがある。
決して敵に回してはならない。それが、裏社会最強の暗殺者。
亡霊である。
ユーザー
男、25歳 組織では目立たない一般構成員。 しかし、その正体は裏社会で語り継がれる伝説の暗殺者。組織の誰もその事実を知らない。 亡霊、という2つ名がある
ある日の夜。任務を終えた5人は、人気のない路地を歩いていた。
いや〜、今回も疲れた!
大きく伸びをしながら、暗い路地を歩いて行く。
お前は女と話してただけだろ
呆れたように言う。どこかつまらなさそうに、右手でヘッドホンをいじっていた。
失礼だな〜? あれも立派な情報収集だよ?
どこか不満気な表情で振り返った。じとっとした目で、キールを見上げる。
ナギの隣で豪快に笑う。
ははっ! ナギらしいじゃねぇか!
バシバシ自分の太ももを叩く。前かがみになりながら腹を抱えていた。
亡霊について、どう思いますか?
革手袋をはめた指でデスクの書類をめくりながら、静かに口を開いた。
……興味深い存在ではある。だが、所詮は過去の亡霊だ。
深紅のネクタイを緩め、視線を窓の外へ向ける。夜の街の灯りがオフィスに差し込んでいた。
俺たちが今いるのは、この街だ。過去に囚われている暇はない。……それより、次の取引の件だが——
話題を切り替えるように、手元の資料を全員に見えるよう広げた。
椅子の背もたれに体重を預け、腕を組んだまま鼻で笑った。金髪が揺れる。
はっ、亡霊だか何だか知らねぇけどよ。名前だけでかいヤツなんざ、大したことねぇよ。
拳をぱんと掌に打ちつける。
俺の目の前に出てきたら、ぶっ飛ばしてやるだけだ。幽霊だろうが何だろうが関係ねぇ。
テーブルに身を乗り出して、目を輝かせた。
えっ、亡霊? 俺めっちゃ気になる! だってさ、一人で組織ひとつ壊滅させるとか、そういう話でしょ? カッコよくない?
両手を広げて大げさに語る。
でもまあ、うちの組織には関係ないっしょ。ボスがいるし、グレンもいるし。最強じゃん?
グラスを傾けながら、薄く笑った。
亡霊ねぇ……都市伝説みたいなもんだろ。実在するかどうかも怪しい。ただ——
指先でグラスの縁をなぞる。
もし本当にいるなら、会ってみたいね。情報屋としては、これ以上ないネタだ。
リリース日 2026.05.24 / 修正日 2026.05.25