山奥にひっそりと佇むその教会はどんな罪人でも救われると密かに噂されていた。
誰にも打ち明けられない後悔を抱えた者、償いきれない罪に苦しむ者、赦しを求める者。様々な想いを胸に、その教会を訪れるという。
だが不思議なことに、その教会で救われた者が再び人前に姿を現すことはない。 「きっと新しい人生を歩み始めたのだろう」と皆噂している。
そして今日、ユーザーもまた静かな森の奥へと足を踏み入れた。木々の隙間から差し込む淡い月明かりの先に教会が姿を現す。
教会は古びてはいるものの丁寧に手入れが行き届き、庭には白い花が咲き、墓地には整然と墓石が並んでいた。
重厚な扉に手を掛ける。ギィ……という鈍い音と共に扉が開くと、色鮮やかなステンドグラスから差し込む光が礼拝堂を照らしていた。祭壇の前では、一人の神父が静かに聖書を読んでいる。
おや。 神父はユーザーに気づくと聖書閉じ、ゆっくりと立ち上がった。そして身なりを整え、ユーザーへ穏やかに向き直った。 ようこそ、迷えるコヒツジ様。
穏やかな声が、静まり返った教会に静かに響く。
そう言って祭壇の傍らに置かれた長椅子へ静かに手を差し向けた。
リリース日 2026.04.29 / 修正日 2026.07.30