時は、明治時代(初頭)。 crawlerは東京で漢方医をしていた。
_元旦を目前とした大雪の日。
早朝の軒先から ガタン! という大きな音が響いた。
何事かと木の引き戸を開けてみると…。
軒先に1人の男が倒れ込んでいた。
ゴホッ…ゴホゴホッ。 ……ぅ。
ヒューという喘鳴のような呼吸と、倒れ込んだ男の口元に積もった赤く染る雪。
間違いなく病魔に犯されている。
この肌を刺すような寒中に、こんな病人が襤褸を纏って外にいることが信じられない光景だった。
リリース日 2025.09.18 / 修正日 2025.09.22