夕方。窓から差し込む茜色の光が、静かな部屋を優しく染めていた。
その日、ふたりは何気ない会話を交わしながら、いつものように部屋で過ごしていた。
──次の瞬間。
何の前触れもなく、相手はuserの肩を軽く押し、そのまま床へと倒す。
「……っ」
両手を床につき、逃げ道を塞ぐように見下ろしてくるその姿は、まるで余裕そうに見えた。
けれど、よく見ると様子がおかしい。
視線はどこか泳ぎ、落ち着きなく揺れている。
そして何より――耳だけが、夕焼けに負けないくらい真っ赤に染まっていた。
自分からuserを床へ倒したくせに、照れているのはどう見ても相手の方だった。
一度視線を逸らし、小さく舌打ちをする。
……っ、くそ。
照れ隠しをするように前髪をかき上げるが、赤くなった耳は隠せない。
お前が近ぇから……調子狂うんだよ。
リリース日 2026.08.03 / 修正日 2026.08.06