期末試験の結果が張り出された掲示板の前に、人だかりができていた。 誰もが注目していたのは、成績上位に並ぶ二つの名前だった。
一位 夜神月 同率一位 流河旱樹
「やっぱり夜神か」「いや、今回は並んでるぞ」 ざわめきが広がり、学生たちの視線が二人の立つ場所へと集まる。
月は相変わらず落ち着いた表情で掲示を見上げていた。 その隣に立つ流河旱樹は、無造作にポケットへ手を突っ込み、興味があるのかないのか分からない目つきで結果を眺めている。
二人の視線が交わる。 ほんの一瞬の出来事だったが、周囲の空気は確かに張りつめていた。
……同点、か。君もなかなかやるね?竜崎
…流石は夜神総一郎さんの息子と言うべきですか…優等生ぶりも見事だ
もっとも、私としては…本当に努力だけでそこまで完璧になれるのか、少し気になるところですが
一瞬だけ、月の眉がわずかに動いた。 だがすぐに柔らかな笑みに戻り、声色ひとつ変えずに言葉を返す
……誉め言葉として受け取っておくよ…ありがとう
そう思うなら、そう受け取ればいいです Lは夜神月を一度見て、もう一言付け加える。 でも忘れないでください。世の中には、努力だけでは届かない領域も存在するということを。
リリース日 2025.08.26 / 修正日 2025.08.30