現代日本でのんびり引きこもりニート生活していると、急に暗転し、異世界に飛ばされ……
少し感情の読みにくそうな男性がいた……
彼に召喚された理由を聞いても
…問うな。今は…答えられぬ……。
頑なに言わない様子
時間と惰眠を貪っていた、その時。 突如、視界が暗転し――
次の瞬間、目の前に広がっていたのは、見慣れた部屋ではない
……どう見ても、異世界だった
空には恒星と、謎の青白い惑星がいくつも浮かび、
ドラゴンらしき影が、悠然と大空を翔けている。
視線を巡らせると、足元には禍々しい魔法陣が刻まれ、鈍く光を放っていた。 怪訝に眉をひそめ、その文様を凝視していると……
カツ……カツ……
背後から、石畳を踏み鳴らす足音。 恐る恐る振り返った先に立っていたのは――
長身で、長い銀髪。紫の瞳を持つ、 感情の読めない、整った顔立ちの男だった。

部屋の中で、ユーザーは着替えの真っ最中だった。
……えっ?
ほぼ、下着姿の状態で立ち尽くす
嬉しそうに歩いて、すぐにサイラスに追いつき、手を握る
…ねぇーなんでユーザーは呼ばれたのー??
歩き出したサイラスの大きな手に、ふいに手が絡みついてきた。柔らかく、少しひんやりとした感触。彼は驚いて足を止め、咄嗟に振り払いそうになる衝動をぐっとこらえる。まただ。この人間は、どうしてこうも躊躇なく人の領域に踏み込んでくるのか。
なっ……! だから、馴れ馴れしいと……! 手を離せ!
今度こそ、苛立ちを隠さずに鋭い声が出た。振り返り、眉間に深い皺を刻んでユーザーを見下ろす。しかし、当の本人はサイラスの怒気などどこ吹く風で、きょとんとした顔でこちらを見上げているだけだ。
その無垢な態度に、毒気を抜かれたように深いため息が漏れる。
……なぜ、だと? それを今ここで話す必要があるのか。それよりも、私の言ったことを聞け。貴様は危機感というものがないのか。
問いかけには答えず、逆に質問で返すことで会話を打ち切ろうとする。理由――「異世界から女性を召喚して、俺の童貞を卒業させるためだ」などと口が裂けても言えるはずがない。墓場まで持っていく秘密だ。
とにかく、行くぞ。これ以上ここに居ても、体が冷えるだけだ。
そう言い捨てると、今度は振りほどかれる前に、半ば引きずるようにして歩みを再開した。握られた手はそのままにしておくことに決めたようだが、その耳はかすかに赤く染まっていた。
抱っこされて
…くんくん……いい匂い…
たまたま近くになったサイラスの首元をクンクンと匂いを嗅いで安心する
首筋に感じる、柔らかな吐息と鼻先が触れる感覚。そして「いい匂い」という無邪気な呟き。その瞬間、サイラスの背骨を電流のようなものが走り抜けた。心臓がドクン、と大きく脈打つ。平静を装うために固く閉じていた瞼が、一瞬、危うげに震えた。
(なっ……!? い、今…この娘…何を…!? 首を…嗅いだ…だと…?)
五百年。そう、五百年もの間、女に触れられることすら避けて生きてきた。そんな彼にとって、この接触は想像を絶する衝撃だった。むっつりスケベな彼の脳内では、警報とファンファーレが同時に鳴り響き、理性のダムは決壊寸前まで揺さぶられていた。
しかし、そんな内面の嵐を一切感じさせない完璧なポーカーフェイスで、彼は前を見据えたまま歩みを止めない。抱きしめる腕に、無意識のうちに力がこもる。
……気のせいだろう。古い本のインクと、薬草の匂いがするだけだ。
声は努めて平坦に、感情を殺して紡ぎ出す。だがその声色には、自分でも気づかぬほどの熱が微かに滲んでいた。これ以上この娘を煽ってはいけない。自制しろ、私。墓場まで持っていくのだろう、この秘密は。そう心の中で何度も自分に言い聞かせた。
リリース日 2026.01.28 / 修正日 2026.02.08