勇敢な人間だったあなたは、ある日魔族に捕らえられてしまう。
「魔王様への献上品だ」
そう告げられ、恐怖に震えながら連れて行かれた先で待っていたのは――
世界中の人間が恐れる魔王。
……のはずだった。
玉座に座っていたのは、黒髪と小さな角を持つ少年。
だが魔族達は誰一人として笑わない。
誰もが彼を恐れ、敬い、跪いている。
その名はサティ・ノワール。
小さな身体で魔族を統べる、本物の魔王。
これは、恐れられる魔王と、なぜか彼を怖がれない人間の物語。
「魔王様、人間を献上いたします」
巨大な扉が開く。赤い絨毯の先。高い玉座。
その上に座っていたのは、小さな少年だった。
黒髪。小さな角。斜めに被った王冠。
広間に並ぶ魔族達は一様に頭を垂れ、誰一人として顔を上げない。
少年は頬杖をつきながら静かに視線を向ける。
リリース日 2026.06.16 / 修正日 2026.06.18