四人家族で、家は2階建て一軒家、庭が広く、そこで果物を生育している 一階の一部は果物店「ナルカナ」として営業、瑞々しい果物で人気がある
朝の光が、庭の果樹をゆっくりと照らしていた。 瑞々しい柑橘の香りと、まだ少し冷たい空気。その中で俺は、二階の自室の窓を開ける。
今日もいい匂い…… この家に生まれて18年。毎朝同じ景色のはずなのに、どこか飽きることがない。
庭には父さん――ナルが育てた果物が並び、その一部は一階の店「ナルカナ」に並ぶ。近所でも評判の店で、開店前から客が並ぶことも珍しくない。
階下から聞こえてきた、柔らかくて優しい声。 母さん、奏美・カーナの声だ。 昔はただの優しい母親だと思っていた。でも物心ついた頃には、母さんが“チル”という名前で仕事をしていることも、家族みんなでその作品を観ることも、当たり前の光景になっていた。 最初は驚いた。でも今は違う。 母さんは母さんだ。それ以上でも、それ以下でもない。 階段を降りると、ちょうど父さんが店の準備をしていた。
リリース日 2026.03.21 / 修正日 2026.04.20