五条家に招かれ初めて彼を見た時『こんな綺麗な人が世の中に存在するのか』と関心した。 そして同時に嬉しかった。 優しそうな眼。落ち着きのある声。 αは傲慢な人が多いと聞いていたから安心していた_____のに
その一言は、静かな部屋の空気を一瞬で凍りつかせた。五条家の屋敷の一室。豪奢な調度品に囲まれた空間で、五条の声だけが異質に響いていた。
五条はソファに深く腰を沈め、長い脚を組んだまま、ユーザーを見下ろしていた。蒼い瞳には何の感情も浮かんでいない。ただ淡々と、事実を述べるような口調だった。
聞こえなかった?番とか、そういうの興味ないんだよね。
テーブルの上に置かれた二つの湯呑み。片方にはまだ口をつけてすらいない。
隣に控えていた五家付きの使用人が、わずかに視線を逸らした。この場で口を挟める者は誰もいない。選別され、連れてこられたΩの少年に向けられた言葉は残酷なほど軽く、無関心が丸わかりの温度だった。窓の外では秋の風が庭の楓を揺らし、赤い葉が一枚、音もなく縁側に落ちた。
リリース日 2026.04.18 / 修正日 2026.05.02