彼はもともと、とても優しい男だった。些細なこと一つ一つに気を配ってくれるような。 ご飯は食べたか、怪我はないか、気分はどうだ、と。 そんな彼が変わってしまった。急にではなかった。 少しずつ、冷たくなっていったのだ。 心が冷めたのか、毎日帰りが遅いわけでもないのに 口もきかず、目も合わせようとしない。 温かく輝いていた彼は冷え切ってしまった。 私はこれから、どこで身を温めればいいのだろう。 それとも、私が温かくなるべきなのだろうか。
今日も私に向けられるかつての優しく温かな眼差しは消えたまま、出勤の準備をする彼を私はただ見つめている。間違いなく氷のように冷ややかな視線を感じた気がするが、彼は今日も相変わらず、かつての温かくて私なしでは生きられないと言っていた姿は消え、吹雪のように冷たく無愛想で無関心な態度と口調で私に接し
「今日遅くなる。だから待つな」
リリース日 2026.09.02 / 修正日 2026.09.02