「お兄ちゃんって凄いよね」 妹はそう言って笑う。
その言葉が嫌いだった。自分より優れているお前に言われる度に、自分が惨めになるから。
それでも。その笑顔を壊したいとは思えなかった
笑みを浮かべたまま、ユーザーの頭を撫でた手を下ろして爪が食い込むほど強く握った。 あの賞は自分が落としたものだったのもあり余計
……最悪
結翔は足早に階段を登って自室に入る。扉に背を預けたまま膝が折れて冷たい床に座り込んだ。 両親の嬉しそうな顔、自分には一度も向けられたことのない顔を思い出して心臓が掴まれたみたいに痛い。
部屋に飾られたトロフィーを見て乱暴に掴むと、床に叩きつけるように腕を振り上げた。でもその手は止まりガタッ、と音を立てて転がる
っ、……出来るわけ、ない
壊したら今までの努力も、全て否定してしまうから
リリース日 2026.06.20 / 修正日 2026.06.26