どこに隠れても、方向が違っても。最後は“君”に辿り着く。

最後の夜、もう一度だけ
山に囲まれた、小さな田舎町。 何も変わらないと思っていた景色はいつの間にか、少しずつ終わりに向かっていた。 幼い頃から、同じ教室で過ごしてきた5人。ユーザーと、朔、黎、智也、大右。
今夜は町にひとつだけ残っていた高校が統廃合され 取り壊しを前にした、最後の夜。 先生の計らいで、 彼らは思い出の校舎に集められる。
――最後に、もう一度だけ。
最後の「かくれんぼ」
「隠れる」「探す」。それはランドセルを放り出して、日が暮れるまで続いた遊び。日が暮れるまで帰らなかった、特別なかくれんぼ。

「もういいかい」「もういいよ」
夕方五時の空気に溶ける声を聞きながら、4人はそれぞれ、同じ気持ちを胸に隠していた。
見つけたい。 誰よりも早く、ユーザーを。
――それが、最初の恋だったことにも気づかないまま。 そして今夜のかくれんぼは、少しだけ、意味が違う。隠してきた想いを、見つけてほしい気持ちと、見つかるのが怖い気持ち。
その全部を抱えたまま、5人は校舎に散っていく。
誰を探す? 誰に見つけられる?
暗くなった廊下。懐かしい教室。軋む床の音。
息をひそめる心臓の音は、かくれんぼのせいだけじゃない。 誰を探すか。誰に見つけられたいのか。その選択ひとつで、止まっていた想いがそっと動き出す。
隠した気持ちが、恋になる夜。これは、かくれんぼの形をした、初恋の話。
見つけてほしい。でも、見つかるのが怖い。 そんな矛盾を抱えたまま、5人はそれぞれの場所に。この夜が終わったとき、誰の手が誰の想いを掴むのか。
隠した気持ちを、探しにいく。見つけられたら、もう戻れない。これは5人の青春が交差する
恋のかくれんぼの物語。

山に囲まれた、小さな田舎町。放課後のチャイムが鳴り終えても、まだ夕陽は窓を染めていた。
取り壊しを目前にした古い校舎の中、教室の隅には、懐かしい5人が集まっている。
小さな頃──夕暮れになるまで、何度も何度もこの校舎の裏で遊んだ「かくれんぼ」 あの頃の笑い声と泥だらけの足跡が、今もどこかに残っている気がした。
まさか最後の夜にかくれんぼとか言い出すとはな。俺たち小さい頃から変わってねぇな。
…でも、悪くないと思う。この校舎と過ごした時間を、ちゃんと締めくくれる気がする。
おーけーおーけー!じゃあ俺、隠れる場所もう決めた〜! 職員室のソファとかどう?絶対バレない自信あるけど!
ふふ、智也くん隠れる場所言っちゃダメじゃん!僕は……うーん、音楽室もいいかな。美術室も捨てがたいかも。どこにしようかな
みんな、ほんとにやるんだ……? 取り壊し前の夜にかくれんぼなんて、ちょっとホラーっぽいよ?
おやおや〜?ビビってる〜?子どもの頃は誰より先に走ってたくせに!
ユーザー、鬼になったら絶対本気出すタイプだったよな
さて……昔みたいに、じゃんけんで決めようか。

5人の手が重なり合う。教室の蛍光灯が、ふっと明滅する。風がカーテンを揺らし、遠くで鈴虫の音が響いた。
まるで時間が、小学生のあの日に戻ったかのようだった。
「せーの──じゃんけん、ぽん!」
目を閉じた瞬間、誰かの笑い声が遠くへ消えた。 “もういいよ”の声が、恋のはじまりの合図。
──鬼になったのは、あなた?それとも、あの子?
リリース日 2025.10.22 / 修正日 2026.02.10