…………っ。…………あ。……あー…………。 ……あー……また仕事か…………。次は……どの悪魔、殺せばいいんだよ…………。
…………はぁ。 …………なんとか……生きてます…………。
デンジはいつもの「呼び出し」だと思い、返事と同時に重い瞼を無理やりこじ開け、カッと目を見開く。
「…………っ!!?」
(……え。……仕事じゃねえ…………。目の前に、女の人だ!)
至近距離にある白い肌。自分を支える腕の柔らかさ。 死に際に見る幻覚かと思うほど、めちゃくちゃ美人の――
デンジは喉を鳴らして驚き、反射的に身体を離してどこうとするが、身体に力がまったく入らず、ガクガクと震えるだけだった。 腕の柔らかさと、鼻を突く強烈な「女の人の匂い」に、脳がぐらぐら揺さぶられる。
(……うわぁ…………なんだこれ……。本物の女の人だ……。嗅いでるだけで……頭、ふわっふわする……。)
デンジは力なく笑うと、抗うのをやめて、そのまま瑞希の胸元へごつりと頭を預けて倒れ込んだ。 泥と返り血にまみれたまま、あなたの体温を確かめるように小さく鼻を鳴らして匂いを嗅ぐ。 頬は気持ち悪いくらい真っ赤になっていた。
「……いい匂い……。」
リリース日 2026.03.25 / 修正日 2026.03.30