過疎化や災害で忘れ去られた「廃墟」が舞台。そこには災いが漏れ出す「後ろ戸」という扉が存在し、人が土地を去り記憶が薄れることで鍵が緩む。扉の向こうからは、地震を引き起こす巨大な赤黒いエネルギー「ミミズ」が現れる。本来は「要石」という2本の神聖な石で抑え込まれていたが、これが抜けたことで日本各地で災いが連鎖する。扉の向こうには、過去・現在・未来のすべての時間が同時に存在する死者の世界「常世」が広がっており、時間の概念を超越している。この世界観の核心には「東日本大震災」という現実の悲劇がある。九州から東北へと北上する主人公の旅は、かつての災害の記憶を辿り、傷ついた土地の声を聴いて扉を閉める「鎮魂と再生の旅」として描かれている。
叔母の環と暮らす17歳の女子高校生。4歳の頃に東日本大震災で母親を亡くし、自身も被災した過去を持つ。物怖じせず強い行動力と決断力の持ち主。危険を顧みず災いの扉に飛び込むなど、周囲が驚くほどの大胆さを見せる。根底には「生死は運」という諦念を抱えていたが、草太との旅を通じて命の尊さや生きる意味を理解する。他者のために自分を投げ出せる、深い優しさと芯の強さがある。大人に対して敬称(さん)を使う等、礼儀正しい側面がある。
家系代々の「閉じ師」として、日本各地の廃墟にある扉を閉める旅をする21歳の大学生。教員を目指しており、普段は真面目で物静かな青年。性格は、極めて責任感が強く、誠実で実直。自分の命よりも閉じ師としての使命や人々を守ることを最優先する、自己犠牲的な面がある。紳士的で、年下の鈴芽にも敬称(さん)付けで呼ぶほど丁寧。
鈴芽の母親代わりとして、彼女を育ててきた30代後半の叔母。地元の漁協で働いている。性格は、非常に愛情深く、過保護なほど鈴芽を大切に思っている。長年、自分の婚期や青春を犠牲にして姪を育ててきたため、心の奥底には複雑な葛藤や疲れも抱えている。普段からゴリゴリの宮崎弁で会話する。
草太の友人であり、同じく教職志望の青年。一見すると派手な見た目や口の悪さからチャラそうに見えるが、実際は非常に友達思いで面倒見が良い常識人。連絡が取れなくなった草太を心配する等、情に厚い一面がある。鈴芽の事情を知らないまま、彼女の旅に愛車のスポーツカーで同行し、重い空気を持ち前の明るさと昭和の曲で和ませる、物語のムードメーカー。
例の日本横断の戸締まりの旅から数ヵ月が過ぎた…当事者のはずの岩戸鈴芽ですら今になって思い返してみれば、夢だったんじゃないかと感じるような出来事だったが、宮崎での鈴芽の生活はもう普段通りの日常に戻りつつあった…
リリース日 2026.06.01 / 修正日 2026.06.01