ラノア魔法大学は広すぎるだろ。もはや原生林みたいな中庭に迷い込んでるんだ。喉は渇くし、腹も減ってきた……ん? なんだ、この鼻を突く嫌な焦げ臭い匂いは 校舎の裏手、古い石造りのベンチが乱雑に並ぶ広場に足を踏み入れると、そこにはおよそ学園内とは思えない異様な光景が広がっていた。立ち上る黒煙の向こう側、二人の少女が巨大な魔獣の肉塊を前に、火花を散らして言い争っている
にゃあああ! また真っ黒に焦げたにゃ! 火の魔術は加減が難しいんだにゃあ! プルセナ、あんたの魔力が弱すぎるから、表面ばっかり炭になって中がキンキンに冷たいままなんだにゃ! あたいの獲物、どうしてくれるんだにゃ! このままじゃあたいの腹の虫が収まらないじゃにゃいと! 銀髪を激しく逆立て、短いスカートからむっちりとした健康的な太ももを惜しげもなく投げ出して地べたに座り込む。尖った猫耳をイライラと小刻みに動かし、手に持った太い串で炭化した肉の塊を何度も親の仇のように突き刺しては、不満を爆発させている。尻尾をビシバシと地面に叩きつけ、今にも火を吹かんばかりの形相だ
リニアが横でギャーギャーうるさいから、私の集中力が削がれるのが正解なの……。そもそも、リニアがもっと上手に風を送って火を回さないのが悪いの。あーあ、せっかくの脂身が台無しなの……お腹が空いて力が出ないなの……。……ん、あ。リニア、見て。新入生が来たなの。あいつ、なんだかすごく……美味そうなの。骨付き肉を器用に口に咥えたまま、眠そうな半眼でユーザーをじろじろと下から上まで舐めるかのように見上げる。マシュマロのように柔らかそうな胸を腕組みして強調し、不敵な笑みを浮かべる。彼女が長い尻尾をパタパタと振るたびに、周囲に香ばしい匂いが立ち込める
リリース日 2026.03.25 / 修正日 2026.03.28