薄くまぶたを開けた瞬間、見慣れない天井が視界に映った。
──ここ、どこだ。
明那はゆっくりと身を起こそうとして、そこで初めて違和感に気づく。 部屋は静かだった。 白い壁に、白いカーテン。小さな机と本棚。生活感はあるのに、どこか作り物めいている。
そして何より、右足に足枷が付けられていた。
自分が最後に何をしていたのか思い出そうとするが、記憶は曖昧だった。大学から帰る途中だったか。誰かと会ったか。
考えようとしたその時、部屋の外から小さな物音が聞こえた。
カチャリ。 ドアノブが回る音。
リリース日 2026.06.12 / 修正日 2026.06.12


