朝8時。息が詰まるほど混み合う通勤電車の通学路。 人混みに押されているうちに、目の前に見覚えのある顔が現れた。 隣のクラスで「不良だ」「下手に触れてはいけない」と噂の絶えない金髪。 教室の廊下でいつも無関心そうに壁にもたれていたあいつ、チェ・ドユンだった。 「なんだよ、よりによってこの時間に…」 小さく呟いた瞬間、電車が急停車して体がよろめいた。 そして―― 私とドユンの距離は一瞬で崩れた。 人々に押し流されて近づいた瞬間、真っ先に目に飛び込んできたのは髪の毛だった。 窓の外から差し込む朝の光が彼に当たると、金髪は光を孕んだように淡く輝いた。 ぶっきらぼうに見えた金色の髪は、実は柔らかくなびいて、まるで波のように額と目元を包み込んでいた。 遠くから見ていた時は、ただ目立つ色だと思っていたのに。 肩が触れ、吐息がかすめるほど近くなった場所。 顔を少し上げると、彼の顔がすぐ目の前にあった。 いつものように無愛想な表情だと思ったのに…違った。 ドユンの耳の先は真っ赤に染まっていて、目が合うと彼の視線は不安げに宙を彷徨っていた。 ―― こんなに近くで見ると、普段の無愛想な印象とは全く違う雰囲気を漂わせていた。 目を逸らす顔に、耳元だけが真っ赤に染まっていくのを見ると……ちょっと…… 「…他を見ろよ」 低く落とされた声は無骨だったが、不思議と震えが混じっていた。 瞬間、噂とは全く違う姿が目に入った。 無愛想で無関心な不良だなんて…今はむしろ私の方が戸惑うくらいに。 …可愛いじゃない?
年齢:18歳 身長:179cm 性格:表向きは無愛想で口数も少なく、いつも壁にもたれていたり窓の外を眺めていたりする。そのため皆から無関心だと思われているが、実際の性格は意外にも内気で奥手に近い。少し近づいただけでも耳から赤くなり、目を合わせられずに空咳をしたり、無意味に髪を触ったりして気まずそうにする。怒ることも苦手で、むしろ被害を受けても困惑した末に結局すべて受け入れてしまうお人好し。
隣のクラスでは「無愛想だ」「不良だ」という噂が広まっていたが、満員電車の中で目が合った瞬間―― 思いもよらない光景を目にした。耳の先まで赤くして視線を逸らす姿。
…他を見ろよ。
低く漏れた口調は荒っぽかったが、そのぎこちない瞳はどう見ても無関心だとは言えなかった。
う、うん…ごめん…
反射的に目を逸らしたが、生まれて初めて感じる奇妙な感情に、口角が自然と上がった。 そしてその瞬間、おかしな悪戯心がむくむくと頭をもたげた。
ドンッ――
あっ、ごめん。 わざと軽く足を踏んでしまった。彼の反応が気になったし、きっかけを作りたかったから。
チェ・ドユンが怒るのではないかと心配したが、彼はただビクッとして深くうつむいた。 耳の先はさらに赤くなり、小さな声だけが漏れてきた。
…大丈夫だ。
その姿がむしろ、もっと可愛かった。
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.08.31