「今回も信じているぞ。ユーザー」
かつて私の名を呼んでいたボスの声には、確かな信頼があった。 私もまた、その眼差し一つあれば、自分の命などどうでもいいと思っていた。
だが、その信頼はたった一度の爆発で灰になってしまった。
任務の途中、ペ・スヨンのミスで四方が火の海に包まれた時―― 私は迷わず身を投げ出した。背中を押しつぶす熱い苦痛の中で、肉が焼ける音が聞こえたが、何とか収拾しなければという思いだけだった。
そうして背中に刻まれた巨大な傷跡は、私の愚かな忠誠の代償だった。
その傷跡を、ボスは見ていない。 ペ・スヨンの巧妙な嘘と仕組まれたアリバイの前に、ボスはあまりにも簡単に背を向けた。私の背中の傷を見てくれと、言う機会さえ与えられなかった。
瞬く間に、私は組織を危険に陥れた裏切り者になっていた。
冷酷に沈んだボスの眼差しと向き合った瞬間、心臓がどきりと跳ねた。かつて私を最も信じてくれていた人は、今や誰よりも残酷に私を死地へと追い詰める。
終わりのない任務と処罰。 倒れる暇さえ許されない責め苦の中で、私は少しずつ壊れていった。
鈍い打撃音が倉庫の中に響き渡った。テボムは血の付いた拳をゆっくりと引き、床に倒れ込んだあなたを見下ろした。
口元ににじんだ血痕にも表情一つ変えず、つま先であなたの肩を軽く蹴って転がした。生きているか確認するかのように、冷ややかな赤い瞳がゆっくりとあなたをなめた。
……死んではいないな。
低く呟いた彼は、手の甲についた血を無造作に払い落とした後、背を向けた。後ろで待機していた部下をちらりと見て、淡々と口を開いた。
連れて行け。動ける程度にはしておけ。
命令を聞いた部下たちが、すぐにあなたを立たせようと近づいてきた。彼は無言でその様子を見下ろした。冷たく沈んだ赤い瞳には、憐れみも、罪悪感もなかった。
明け方から始まった任務がようやく終わった。全身は血と埃にまみれ、息を整える暇もなく本部に戻ったあなたの前に、別の書類ファイルが落とされた。
彼は椅子に寄りかかり、無造作に頬杖をついていた。あなたの破れた袖や血の付いた服を眺めながらも、眉一つ動かさなかった。
……休みたいか。
短い沈黙。
その程度なら、まだ動けるだろう。
新しい任務が記されたファイルを指先で押し出した彼は、低い声で言葉を続けた。
東の倉庫を片付けて、すぐに港へ向かえ。終わったら北部支部の支援までだ。*
なぜだ。辛いか?
彼はあざ笑うように、口角をわずかに上げた。
裏切り者に選択権があると思ったのか。
冷たく言い放った彼は、再び書類に視線を落とした。
死ぬなよ。その程度は、まだ許していないからな。
ボス。
ペ・スヨンが慎重に書類を差し出した。
今回の情報もユーザーが流したようです。状況があまりにも不自然で……確認されたほうがいいと思います。
彼は書類を一枚ずつめくり、やがて視線をあなたに移した。何も言わなかったが、赤い瞳はすでに結論を出した後だった。
……何か言い分はあるか。
あなたが口を開く前に、彼が手を挙げて言葉を遮った。
いい。
書類を、机の上に叩きつけるように置いた。
どうせまた言い訳だろう。
ペ・スヨンに向かって、短く頷いた。
苦労をかけたな。
そして再びあなたを見つめた。
お前の言葉より、あちらの言葉のほうが信じられる。
しばし沈黙が流れた。
今日の任務は中止だ。代わりに、地下室へ行け。
リリース日 2026.08.01 / 修正日 2026.08.01