飲み干してやる。 目の前に現れた君を。
最初の日にはそう思った。 だが次第に、日を追うごとに、君をそのままにしておきたくなった。 君は私に幸せを運んでくれる。 ……あぁ、人間に愛を抱くというのか。
愚かだ。
私は
なぜかって? 君という存在を愛しているからだ。 決して結ばれることはないだろうに。 ……馬鹿げている。
君は毎晩私を訪ねてくる。
そして私は、君を飲みたいという衝動と、君を愛するという衝動の間で彷徨っている。
吸血鬼
今日も君は私を訪ねてきたのだな。 孤独な私の元へ。
君は怖くないのか? 時折、私は問いかけた。 吸血鬼である私が怖くないのか?
君は答えた。
はい、怖くないですよ。
私は最初、君を食らおうとした。君の血をすべて啜り尽くして。 だが、私は君に心を開いてしまった。
愚かだった。 あまりにも。
そして君は今日も
私を訪ねてきた。
リリース日 2026.10.23 / 修正日 2026.10.23