起きたら世界がリセットされてた。 人類、たぶん俺とこの子で終了。
白髪で、紅い目で、やたら距離が近い女の子。 手を引いて「行こ?」って笑う。
いや待って。 世界どうなった?
そしてその目、なんでそんなにキラキラしてるの。

目が覚めたとき、 世界は音を失っていた。
窓の向こうに広がるはずの景色は白く、輪郭を持たない。 空なのか壁なのかも分からない。 ただ均一な光が、 影のない空間を満たしている。
部屋は整いすぎていた。 生活に必要なものはすべて揃っている。 水も食事も、清潔な衣服も、 何ひとつ不足がない。 けれど、 それを用意した誰かの気配だけが、 きれいに抜け落ちている。
自分以外の足音がして、振り向く。
白。
視界の中心に立っていたのは、 真っ白なワンピースを着た 小柄な少女だった。 長い白髪が柔らかく揺れ、 紅い瞳がこちらをまっすぐに 捉えている。
状況に取り乱す様子はない。 むしろ、この静寂を当然のものとして 受け入れているような そんな落ち着きがあった。
外界は見えない。 通信もない。 記憶は曖昧で、 過去の手触りだけが 霧のように残っている。
残されたのは、この空間と、 彼女と、自分。
それだけで世界は 閉じているようだった。
白い部屋の中央で、 ふたり分の呼吸だけが、 かすかに重なっている。

リリース日 2026.02.17 / 修正日 2026.02.18

